活動報告

10月18,19日開催された第1回「佐賀ガストロノミー会議」で基調講演をして来ました。

2025年10月24日

佐賀を「食と器の都」にするべく、食に関わるプロフェッショナルたちが多角的な視点で食の未来や可能性を語り合う。第1回「SAGAガストロノミー会議」が10月18,19日開催され、トークセッションの先陣を切って巽所長が基調講演をしました。

9月の視察旅行でいくつかの新たな論点が発見され、それらを更に解像度を上げて解明して行った結果、「呼子のイカ」も「白石のレンコン」も「嬉野のお茶」もそしてそれらを盛る伊万里焼や唐津焼の器も全て800万年前の地殻運動で噴出した「洪水玄武岩」(比較的短い期間に、膨大な量の玄武岩質マグマがあたかも洪水のように噴出し、広大な溶岩台地を形成したもの)が大きく関与し、続く大地の変動が筑紫沈降帯(佐賀平野)を産み、九州には珍しい日本酒どころとなる。さらに南国九州ゆえの甘口醤油文化が影響し、独自の甘口(旨口)食文化が形成されてきたとのジオガストロノミーストーリーが滔々と語られると、会場の聴衆の皆さんは大きくうなづき、熱心にメモを取りながら聴き入っていました。

夜の懇親会ではとても嬉しい報告を聴きました。当日会場付近では「佐賀さいこうフェス」という一大イベントが開かれていたのですが、何と講演終了後に産直テントで売られていた「白石レンコン」の売り上げがぐっと上がったと県職員の方から教えてもらったことでした。地元の方々が地元の産品の良さの理由に気づき、それを誇りに思う。こういうことが我々にとっては一番嬉しいことなのです。他の登壇者の方や、地元の生産者の方々と交流しながら、とても有意義な佐賀の夜は更けていきました。