活動報告
メルマガで新シリーズ「巽好幸の人文地質学」をスタートしました。
2024年03月21日
ジオリブ研究所では、日本特有の食文化が成立した背景には日本列島で起きてきたダイナミックな大地の変動があることに注目して、「美食地質学」を標榜してきました。この取り組みを通して、「豊かな自然ときれいな水が育んだ日本の(あるいはある地域の)美味なる食」というありきたりの理由づけではなく、「美味しいものには理由がある」ことを日本列島の成り立ちと併せて理解した上でいただく料理がどれほど味わい深いかをお伝えしてきました。さらにこのようなアプローチが地域のオンリーワン性を浮かび上がらせ、シビックプライドを高め、そして持続的な地域振興に貢献するであろうことを説いています。
一方で美食地質学を考究していると、火山や地震が密集する世界一の変動帯である日本列島からの厳父の如き試練と闘いながら、感謝をもって慈愛に満ちた恩恵に浴してきた「変動帯の民」の営みがとても愛おしく思えてきました。そしてこの地に暮らしてきたからこそ、日本人特有の精神性が培われ、特有の文化や風土を育んできたと確信を持つようになってきました。
私たちはこれからも美食地質学をさらに深めて行こうと思っていますが、同時に、先人たちが日本列島の大地変動と向き合うことでどのような精神性、あるいは倫理観を持つようになり、そして日本固有の文化を育み歴史を創ってきたか、も探っていきたいと考えています。
行動を起こすには「旗頭」があったほうが元気が出るというものです。そこで、今ここで述べたような取り組みに対して、「人文地質学(Geo-humanities)」という表現を用いることにしました。
新たに始まる「巽好幸の人文地質学」、ご興味のある方は是非ジオリブ会員になってメルマガをご購読ください。