活動報告

12月13、14日「せとうち讃岐ジオガストロノミーツーリズム」モデルツアーに行って来ました。

2023年12月30日
「せとうち讃岐ジオガストロノミーツーリズム」事業の目玉の一つ、モデルツアーに行ってきました。

一日目は小豆島からスタート。フランスの方、台湾の方交えた総勢25人くらいの団体旅行。
事前視察でも訪れた醤油蔵とオリーブ公園で、香川のジオと醤油やオリーブが如何に関わっているのかを香川大の長谷川先生(ジオリブ研究所主任研究員)が説明。

ランチは「暦」さんで。我々からのフィードバックを採り入れて見事なジオグルメに仕立て上げてくれている。しかし食後にフランス人から折角醤油とオリーブを見学したのだからそれをもっと強調した料理が良いとの意見が。どちらも使っているのだが、繊細すぎて彼らにはピンと来ないようだ。
午後からは寒霞渓へ。裏から車で登る。寒霞渓を裏から巡るのは初めての体験で奇岩奇景に驚かされる。小豆島第18番霊場となっている石門洞で住職に導かれての瞑想体験。
更にロープウェイで山頂に登り、巽所長の香川のジオストーリー概論を聴く(英語)
ファンなら垂涎モンの体験だが、外人の方々の反応は今一つ?工夫が必要のようだ。
「せとうち讃岐ジオガストロノミーツーリズム」モデルツアーの二日目。
香川県本土に移り、坂出市金山の「けいの里」へ。

ここは普通の観光ツアーではほとんど立ち寄らない所。しかし、香川のジオを知るためには、ある種の聖地だ。ここ金山では「サヌカイト」と呼ばれる黒い、硬質の石が産出される。これは1300万年前の瀬戸内地域の火山活動でできた安山岩の一種で、叩くと甲高い音を立てるところから地元では「カンカン石」とも呼ばれる。その硬さから縄文~弥生時代には矢尻や石刀として利用され、人類発展に多大な功績を残した。今は長短のサヌカイトをぶら下げた木琴のような「サヌカイトフォン」として美しい音色で人々の耳を楽しませてくれる。「けいの里」のホールでサヌカイトフォン奏者の演奏をたっぷりと楽しんだ。

讃岐といえば「うどん」。モデルツアーのランチにもキッチリ「讃岐うどん」を組み込んだ。三豊市でも人気が高い、明治43年創業の「小野うどん」。案内してくれた三豊市役所の方が言われていたが、ここのうどんは毎日食べても飽きないそうだ。うどんは小麦の香りが高く、適度にコシがあり、ダシはいりこの旨味が詰まった本当に優しいお味。市役所の方の言うこともうなづける。
ランチの後は三豊市曽保へ移動して、一次生産者の方のお話を聴く。この地でみかん農園を経営し、高級みかん「ふるーつ物語」(東京の千疋屋で売られてるらしい)で知られる吉田さん。お話がとてもお上手ですっかり聴き入ってしまう。曽保地区の海に面した北側斜面は、真冬でも10度前後ある燧灘の海水からのあたたかい風が吹くために、霜がおりることがない。なので、みかんにとって育ちやすい、温暖な土地となっていると言う。長谷川先生からは二つの谷で地質が違い、それによってみかんなどの柑橘類と枇杷を育て分けているという興味深い話もあった。(農作物とジオの関係については我々の研究所としても今後取り組んでいきたいテーマの一つではある。)
ジオと美食をタップリと盛り込んだジオ・ガストロノミーツーリングのモデルツアー。
外国人の参加者からは「ちょっと難し過ぎた」というご意見もいただきましたが、香川の魅力を強力に発信できる旅行商品へと、これからもっと磨き上げていきたいと思います。